活動レポート
2021年9月

2021.9.22

令和3年第3回定例会 一般質問の報告

9月22日、広島市議会 令和3年第3回定例会で、会派を代表して一般質問を行いました。
質問内容は、以下の5項目です。

1.令和3年8月大雨災害について

2.特色ある小中一貫教育校の周知について

3.魅力ある市立高校づくりについて

4.地域活動支援センターⅢ型について

5.安佐勤労青少年ホーム閉館後の施設利用について

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1. 令和3年8月大雨災害について

はじめに、令和3年8月大雨災害について質問致します。
令和3年8月11日から21日頃にかけて、西日本、東日本の広範囲で記録的な大雨となり、土砂崩れや河川の氾濫の災害により、お亡くなりになられた方々に対して、衷心よりご冥福をお祈りいたしますとともに、被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。そして一日も早く普通の日常を取り戻されることを、祈念申し上げます。
また、避難所の開設に伴い地域自主防災会を含む関係者の皆様そして、被災地復旧のためにご尽力いただいた皆様に心から感謝申し上げます。
さて、この度の8月11日から25日の大雨では、平成30年7月の西日本豪雨の雨量を各地域で上回り、特に安佐南区祇園山本の計測所では、累加降雨量794mmを計測。気象庁のデーターによると、広島市の年間平均降雨量は1572.2mmであることから、この2週間でなんと年間平均雨量の半分を超えたことになります。こうした局地的大雨は、近年全国各地で恒常化しています。その上で、土砂災害特別警戒区域の多い本市にとって、市民の命と暮らしを守るための防災減災対策を着実に講じるためには、国、県、市の連携が大事になります。我が公明党も、地方議員と国会議員のネットワークを生かし、本市の防災減災対策の強化に向けて尽力してまいります。さて、これまでの災害を振り返ってみますと、市民の生命と財産を脅かす土石流対策には砂防堰堤が有力ですが、これは国や県が担う事業であり本市は直接事業に関わることはできません。
そこでお尋ねします。

質問:

本市として、整備を一層促進するため、どのような側面的な取組みが考えられますか。

答弁:

砂防堰堤の整備は、国土を保全し市民生活の安全安心を支える極めて重要な施設であること等から、砂防法において、県及び国において行うものとされています。
そのため、本市は、砂防堰堤の整備については、国・県への要望はもとより、災害発生時では迅速に国土交通大臣等に向け、緊急的に整備促進要望を届けているところです。
実際、平成26年8月、平成30年7月の過去2回の豪雨災害の対応に当たっても、国・県にしっかりと要望を行うことで、8月末時点で国は49基、また、県においても18基の砂防堰堤を整備されてきたところです。
また、この度の8月の大雨災害についても、本市の要望を踏まえ、現在、国・県において砂防堰堤内の堆積土砂を迅速に撤去していただいているところです。
今後は、財政制約の中にあっても、砂防堰堤の整備が、一層確実に進められるようにするために、国・県の役割の強化など、砂防堰堤の整備促進につながる事業制度の改正を視野に入れた国への要望を具体化していきたいと考えています。
なお、砂防堰堤の整備事業を円滑に進めることも重要であることから、本市としては、事業実施段階における関係住民への協力要請等を、これまで以上に国・県と連携して取り組んでまいります。

次に、国が主導する防災減災の取組の一つに、広島西部山系直轄砂防事業があり、平成26年8月豪雨災害では、国、県、市が連携して、復興に取組み、昨年8月に砂防堰堤や治山堰堤など計99箇所の土砂災害対策施設が完成しました。
そこで、お尋ねします。

質問:

本市域内において、国が整備した砂防堰堤は何基になりますか。

答弁:

国では、平成11年6月29日の土砂災害を契機として、土石流による人的被害、家屋被害、重要な交通網の途絶などの被害を軽減することを目的として、平成13年度から国直轄の砂防事業を開始しており、令和3年8月末時点において、本市域内に123基の砂防堰堤を整備していると国から聞いています。

さらに、今回の大雨において砂防堰堤が土砂や流木を防いだことや、また堰堤を乗り越えた土石流を遊砂池が受け止め、住宅団地への流出を防ぐことができたなどの事例を、何箇所かで聞いています。

質問:

改めて、今回の大雨による土石流の流出を防いだ堰堤はどの場所かお聞かせください。

答弁:

令和3年8月11日からの大雨により発生した土石流を捕捉した国の砂防堰堤は、安佐南区相田七丁目の1基、緑井八丁目の1基及び大町西二丁目の2基の合計4基です。
これら4基の砂防堰堤については、土砂等の捕捉に伴い大量の土砂等が堆積しているため、国において撤去を進めているところです。

次に、砂防堰堤と同じように土砂の流出を防ぎながら、森林に戻す目的の治山堰堤があります。しかし今回の大雨において、ある治山堰堤では、土砂や流木が堰堤を乗り越え民家に押し寄せる被害も出ています。治山堰堤の性質としては、堰堤の土砂が一杯になることにより、森林を保全し、その目的を果たすことができると言われていますが、一方でこれまでの大雨により谷から土砂や流木が堆積していることで、近隣住民の方からは、撤去を求める相談も頂いています。
そこでお尋ねします。

質問:

現在、本市には、広島県所管の治山堰堤が何基設置されていますか。

答弁:

治山堰堤は、森林法に規定する保安施設として、広島県が事業主体となり整備しているものです。現在、本市域内には916基が設置されています。

質問:

治山堰堤への土砂や流木の堆積状況によっては、土砂の撤去や堰堤の補強なども必要と考えますが、県はどのように対処していくのかを、本市が把握していれば教えてください。

答弁:

治山堰堤は、議員御指摘のとおり、土砂が堆積すればそこに植生が再生しその目的を果たすことになりますが、県では、土砂や流木が堰堤より上に異常堆積し、下流地域へ被害の可能性や緊急性がある場合に、地権者の同意を得て撤去を行っていると聞いています。
また、堰堤の補強については、ひび割れが発生している堰堤はモルタル注入等のクラック補修工事を、一部が破損した堰堤は、増厚等の補強工事を行っていると聞いています。
本市としましては、市民からの要望等により、土砂の撤去や堰堤の補強の必要性を確認した際には、速やかに県へ報告するなど、県と協力しながら対応していきます。

また、鳴谷川の急峻な谷から土石流が発生し、下流地域に住む方々は、今後の大雨により、またいつ土石流が起こるか心配されています。
そこで、お伺いします。

質問:

今後、この鳴谷川における対応について、どのように考えられているか教えてください。

答弁:

本市では、土石流が発生した鳴谷川の応急対策として、発災直後から河川に堆積した土砂等の撤去を開始しており、9月末までの完了を目途に作業を実施しています。引き続き、民有地に流れ込んだ土砂等についても、士地所有者からの同意のもと、撤去する予定です。
また、本市では、今回の土石流等の発生を受け、県知事に対して、砂防堰堤に堆積した土砂等の早期撤去と保全とともに、鳴谷川を含めた砂防堰堤の整備促進について緊急の要望書を提出しています。
これに対し、県からは、要望書の主旨を踏まえ、砂防事業の実施について国と協議を進めたい旨の回答がありました。
本市としては、土砂災害から人命を守り安心して暮らせる地域とするため、速やかな砂防堰堤の整備が図られるよう、引き続き、県に対し、強く要望していきたいと考えています。

さて、広島県の農業用ため池数は、全国で2番目に多くあり、ため池の下流域で生活されている方々は、大雨の際にため池が決壊しないかと心配をされているとの声もお聞きします。
しかし、その反面、今回の大雨では、砂防堰堤を越えた土砂がため池に流入したものの、そのため池が土砂をせき止め、堰堤の役割を果たしたことにより、下流への被害を軽減させ災害を免れたところもあると聞いています。
このように、ため池には減災効果もあると思いますが、一方で利用されなくなり放置されると堤体が脆弱になることにより決壊するリスクも上昇するのではないかと懸念しています。
そこで、お尋ねします。

質問:

現在、本市には、農業用ため池が何箇所ありますか。また、現在、農業用として使用していないため池の数は把握されていますか。

答弁:

農業用ため池は、農業用水を供給する施設であり、現在、本市域内には、387箇所あります。そのうち、現在、使用していないため池は、19箇所あります。

質問:

使用していないため池については、防災減災上の観点から適切に管理していくことが重要と考えます。本市では、どのように対応していくのか、ご見解をお聞かせください。

答弁:

農業用ため池は、利用されなくなり放置されると堤体いわゆる堤に木が茂り、脆弱となることで決壊リスクが高まります。このため、農業用水としての利用がないため池については、所有者や耕作者等の同意を得ながら、順次、県の施工による掘割、排水路設置工事を経て、廃止していくこととしています。
これには、時間を要することから、廃止までの間は、本市からため池管理者に対し、水をためないよう日常の管理をお願いするとともに、毎年梅雨前には、決壊の防止措置を周知し、必要な助言・指導を行っているところであり、今後ともこうした対応により防災・減災に努めていきたいと考えています。

次に、本年7月3日静岡県熱海市で、梅雨前線の大雨による土石流が発生し、死者26名行方不明者2名という大惨事が起きました。お亡くなられた方々に、衷心よりご冥福をお祈りいたします。そして、被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。
この土石流の原因について、静岡県副知事は7月13日、土石流の起点周辺には、開発行為を行う際に必要な防災工事が行われていない違法な盛土が災害の原因であると発表されました。森林において土砂を埋め立てるなどの開発行為を行う場合は、森林法に基づく林地開発許可が必要であると聞いています。
そこで、お尋ねします。

質問:

本市域内において、現在、林地開発許可に基づき、開発行為を行っている件数は何件ありますか。そのうち、土砂埋め立てを目的とした件数は何件ありますか。

答弁:

議員お尋ねの林地開発許可は、森林法に基づき面積が1ヘクタールを超える開発行為を行う際に、災害を発生させるおそれがないなどの要件を満たす場合に許可を行うものです。
現在、本市域内において、林地開発許可に基づき、開発行為を行っている件数は23件であり、そのうち、土砂埋立を目的とした開発行為は6件です。

また、このように本市が林地開発を許可した周辺にお住まいの皆様が、熱海市で起こったような、土石流の発生や法令に違反する盛土の行為などに不安を感じられています。
そこで、お尋ねします。

質問:

林地開発許可の内容が適正に行われ、安全に施工されているかを確認するため、本市として、林地開発許可後に現地調査を行うのでしょうか。

答弁:

林地開発許可制度では、開発行為による災害を未然に防ぐとともに安全性を確保するため、排水施設や洪水調整池などの防災施設の設置を許可の要件としています。
本市では、林地開発許可を行った箇所について、こうした許可要件が守られているかどうかを確認するため、定期的に現地調査を行っています。
その中で、事業計画に沿って適正に工事が行われているか、また、災害が発生しないよう適切に防災施設が設置されているか等について確認し、改善の必要がある場合には、事業者に対して指導を行っています。

質問:

また、先日の大雨の際に、林地開発許可に基づき、開発行為を行っている個所において土砂災害は発生していないのでしょうか。

答弁:

本市域内で、現在林地開発許可に基づき、開発行為を行っている箇所について、本年8月の大雨の後に現地確認を行った結果、土砂災害の発生はありませんでした。
今後とも、許可に当たって適正に審査を行うとともに、許可後についても、許可要件の遵守の確認や指導を適切に行うなど、林地開発許可制度の適正な運用に努めてまいります。

2. 特色ある小中一貫教育校の周知について

次に、特色ある小中一貫教育校の周知強化について、お伺いします。
昨年度から本市は、中山間島しょ部に位置する似島、戸山、阿戸小中学校を一貫教育校としてスタートしました。この3校の特徴は、山、川、海の豊かな地域自然環境を活かした教育にあります。また、少人数クラスの教育や地域の方々とのつながりを深めながら地域に親しみ、知ることで郷土愛を育む人間教育環境も特徴の一つであります。さて本市では、その恵まれた自然を生かした体験活動を通して、児童に豊かな人間性、自然を愛する心、他人を思いやる心を養うことを目的に、いきいき体験オープンスクール事業を平成10年度から、似島小学校と筒瀬小学校において、また、平成12年度からは似島中学校を加えて実施しています。各校ともそれぞれの地域の特色を活かした自然体験活動を教育課程のなかに位置付けて、行っています。例えば、似島小中学校共通の活動として、農業体験、プールカヌー体験、全校磯釣り大会、ミカン狩りを、さらに中学校では、アメリカオレゴン州のマウントテイバースクールとの交流や、漁業体験、ローボートで似島一周体験、そして庄原市の高野中学校とスキー体験を通じた交流を行っています。また筒瀬小学校では、米づくりを苗代からはじめ、夏野菜を植え収穫し、その野菜を使って調理し地域の方と一緒に食事会を行う、さらに12月には杵で餅をつくなど、年間を通した農業体験に加えて、とんど、茶道などの伝統的な文化を継承する活動にも取り組んでいます。これらの学校では、これまでも通学区域内だけでなく、入学・転入学希望者を通学区域外からも募集しており、両校の教育活動に賛同する多くの児童生徒が入学し卒業しています。
さて同じように、戸山、阿戸小中一貫教育校においても、特色ある教育活動を展開います。その戸山小中一貫教育校では、戸山ESD学習を、阿戸小中一貫教育校では、ふるさと未来科を設定し、米づくりや特産物栽培などの農業体験、地域の川や地域に伝わる神楽、祭りについての学習など、自然の恵みや地域資源を活用した学習を展開しています。また、これらの授業には、地域の方々が指導者として参加しておられ、まちぐるみで子どもたちの成長を見守り、学校の取組を盛り上げて頂いています。そうした、教育方針に賛同する入学・転入学希望者を今年度から対象者を拡大し、通学区域外からも募集を開始しました。
しかしながら、このように戸山、阿戸小中一貫教育校において特色ある教育活動が実施されているにもかかわらず、今年度の通学区域外からの転入学者は両校で中学1年生で3名、中学3年生で1名のみであり、小学1年生はゼロでありました。大変に残念でありますが、その現状を真摯に受け止め、次への糧にしなければなりません。
そこで、お伺いします。

質問:

児童、生徒や親御さんへ、小中一貫教育校の特色ある教育環境について、これまでどのように周知されてきたのでしょうか。また、来年度入学、転入希望者を募るためには、どのような取り組みを考えておられるか。

答弁:

教育委員会では、昨年度、小中一貫教育校の概要や、入学・転入学の申し込み方法等を記載したリーフレットを作成し、市立全小・中学校、市内の公私立幼稚園・保育園等に配付するとともに、広島市立中学校ガイドブックの中に小中一貫教育校について記載し、市内の小学校第6学年全員に配付しました。
また、各小中一貫教育校が学校説明会を開催し、参加した子どもや保護者に、教育方針やふるさと科の取組などの特色ある教育活動の説明を行っています。
来年度に向けては、これまでの取組に加え、広報誌「市民と市政」に、小中一貫教育校の教育活動の特色や具体的な活動内容等を掲載するとともに、今年度、各学校が新たに取り組むオンラインによる他校との交流授業や地域資源を活用した体験活動など、児童生徒が意欲的に取り組んでいる様子を、随時、SNSやホームページ等で発信し、小中一貫教育校の魅力の発信に努めてまいります。

ところで、学区外からの入学を希望している児童生徒にとって、通学に要する距離や時間の問題が、高いハードルとなり、入学させたいけど断念される方もいらっしゃるのではないかと、危惧しています。確かにこの3校は、公共交通インフラが脆弱な地域であることは、共通の課題であります。その上で、ハード面である物理的距離を縮める事は出来なくても、まずはそれをソフト面で上回る魅力的価値を高めることが大変重要であります。そうした中、先生方を中心に保護者、そして地域の皆さんが一体となって魅力ある学校づくりに尽力頂いています。
そこで、お尋ねします。

質問:

これまで学区外から入学を認められた児童の通学費は自己負担になっていますが、せめて学区内の基準範囲内に準じて遠距離通学費補助の対象に拡大してはどうか。

答弁:

義務教育においては、学校教育法施行令に基づき、指定学区の小・中学校に通学することが基本とされており、本市ではこれを前提として、一定の通学距離(小学校4km、中学校6km)以上の場合、補助制度を設けているところです。
このため、御指摘の通学費の助成については、中山間地域における地域活性化のための通学者増加の必要性などの観点から、別途、関係部局と連携して研究していきたいと考えています。

要望:

地域課題でもある公共交通のバス路線や便数、また新しい地域交通体系などは今後、学区外から通学する児童生徒の実情も考慮しながら、学校を中心に地域と立体的な検討をして頂きますよう要望いたします。
加えて、似島小中一貫教育校では、小中の校舎それぞれに職員室があり、しかも小学校と中学校の校舎が約200メートル離れていることから、先生方が知り得た児童生徒のリアルな情報を小中学校間で日常的にやり取りしたり、共有したりすることが難しい環境であることが分かりました。そこで、先生方が一堂に集まる職員室が必要であると思い、両校舎の中間に本部棟的教職員室の増築を要望します。

3. 魅力ある市立高校づくりについて

次に、魅力ある市立高校づくりについて質問致します。
本市には、基町、舟入、沼田、美鈴が丘の普通科高校と、広島商業、広島工業の専門高校、定時制と通信制を併設した広島みらい創生高校、中高一貫校の広島中等校育学校の合計8校を設置しています。それぞれの高校で特色を活かした教育を推進しておられますが、中でも普通科高校の特色として、基町には創造表現コース、舟入には国際コミュニケーションコース、沼田には体育コースを設置しており、各校それぞれが輝かしい実績をあげておられます。
こうした中、昨今文部科学省は「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」の答申の中で、各高校が特色・魅力ある教育をより一層推進するよう求めており、広島市教育大綱においては普通科の特色化・魅力化に取り組むことが明確に示されています。
さらに今年度は、市立高校の将来構想である「広島市ハイスクールビジョン」とその行動計画である「ハイスクールビジョン推進プログラム」の中間見直しにあたり、今後の市立高校にとって大変重要な時期に差し掛かっていると私は考えています。
なぜなら、本ビジョンが策定された5年前と比べ、現在の本市の魅力ある高校づくりを取り巻く環境は、大きく変容しているからです。申すまでもなく、少子化が加速する今、私立高校では近年、男女共学の開始や学校設備の拡充、さらに運動部、文化部の活動や特進コースの設置など、特色ある学校運営に生徒、保護者からも人気が高まっています。それに加え、私立高校の教育費への就学支援金や授業料等軽減補助金等により、授業料に対しての抵抗感も薄まったことも追い風になっています。
このように、変化している現在、これまでは生徒を受け入れる高校から、生徒から選ばれる高校へと、新たな局面に立っている中、魅力ある高校づくりは、学校教育関係の従事者だけでなく、本市行政の真価が問われる喫緊の課題であるように思えてなりません。
普通科高校の魅力・特色を考えるなら、普通科コースはより一層の魅力化・特色化に工夫が必要です。例えば、体育コースであれば専攻実技種目の拡充やコース入学定員の抜本的な見直し等が必要であると考えます。
そこでお尋ねします。

質問:

このような高校教育を取り巻く環境の変化の中で、本市が目指す魅力ある市立高校の方向性をお聞かせください。また、広島市ハイスクールビジョン中間見直しをどのように行おうとしているのかお聞かせください。

答弁:

本市が目指す魅力ある市立高等学校づくりの方向性については、平成28年度に策定した広島市ハイスクールビジョンにおいて、「志高く、世界に誇れるまちHiroshimaを創造する人材」を育成していくため、グローバル化や情報化などの時代の変化に対応し、生徒一人一人の多様なニーズに応じた特色ある教育を実現することとしています。
この度の広島市ハイスクールビジョンの中間見直しについては、この方向性は堅持しつつ、普通科の特色化・魅力化など新しい時代に対応した高等学校教育に関する国の方針や、第6次広島市基本計画に掲げた「地域共生社会の形成」「平和文化の振興」など本市のまちづくりの方向性を踏まえて検討を行うこととしています。
また、各学校ごとの魅力づくりの行動計画を示した「ハイスクールビジョン推進プログラム」については、現在、教育委員会と学校が連携し、取組の成果と課題の検証を行っているところであり、今後その結果を踏まえ、普通科コースの充実等を含め、その見直しを進めていきたいと考えています。

4. 地域活動支援センターⅢ型について

次に、地域活動支援センターⅢ型についてお伺いします。
この地域活動支援センターⅢ型には、障害のある15歳以上の方を対象とし、創作活動又は生産活動の機会の提供や社会との交流の促進等便宜を行う施設であり、障害者の地域における自立した生活を支える上で重要な取組であります。そして本市でも、障がい者就労支援として、地域活動支援センターⅢ型のほかに、雇用契約を結び最低保障があるかないかで就労継続支援A型や就労継続支援B型の取組も行われています。
そこで、お伺いします。

質問:

改めてそれぞれの事業形態の違いがある中で、地域活動支援センターⅢ型の運営事業者は、平成23年度においては43カ所でありましたが、現在本市には何カ所ありますか。また、本市は、地域活動支援センターⅢ型事業をどのように考えているのか、お聞かせください。

答弁:

「地域活動支援センターⅢ型」は、障害者の一般就労を促進するための障害者自立支援法が平成18年10月に施行された際に、一般就労が困難な障害者向けの通所施設も引き続き必要であることから導入されたものであり、現在、市内には事業所が19か所あります。
この施設は、障害の特性等に応じた居場所や地域との交流の場を確保するためのものですが、近年、就労訓練を主体としたサービスが重視される中で「就労継続支援B型」に移行する施設が増えています。本市としては、「就労継続支援B型」への着実な移行による障害者の自立促進は重要であると考えていますが、一般就労が困難な障害者については、実情に応じた取組も必要であり、地域活動支援センターⅢ型が引き続き円滑に運営されるように努めていきたいと考えています。

さて、令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の見直しが行われ、就労継続支援A型や就労継続支援B型も対象となっています。
そこで、お伺いします。

質問:

今年度に障害福祉サービスの報酬改定があったが、就労継続支援B型事業の報酬がどのように変わったのか、お聞かせください。また、地域活動支援センターⅢ型事業の運用は見直しを行われてきたが、補助金額の見直しを行わないのか、教えてください。

答弁:

今年度の「就労継続支援B型」に係る報酬改定では、賃金の支給額が少ない事業所への報酬が引き上げられるように「平均工賃月額」の体系が改められるとともに、地域住民等と協働した生産活動やピアサポートも就労訓練の一環として認められるようになりました。
地域活動支援センターⅢ型事業の補助金については、市において、短時間の利用であっても補助対象にするなどの見直しを行ってきていますが、このたびの国による報酬改定は、Ⅲ型事業から「就労継続支援B型事業」への移行を重視するためのものであることから、移行を希望する事業所をしっかり支援していきたいと考えています。
なお、地域活動支援センターⅢ型事業については、引き続き、書類作成等に係る事務サポートや各種相談など実情に応じた支援を行ってまいります。

要望:

さて、地域活動支援センターⅢ型事業の課題は、利用者の出欠席で報酬が左右される不安定な経営状況であることや、平成26年と令和元年の2回の消費税アップに伴い補助金額に反映されていないことなど、経営資源の乏しいことが影響し、後継者の人材育成もままならないことも含む、多くの課題を抱えています。
しかしながら、事業者の皆さんは、利用者の成長や生きがいのためという志を胸に、その運営課題の悩みを抱えながら、地域活動支援センターⅢ型事業を続けられています。このような実情を踏まえ、地域活動支援センターⅢ型への支援の拡充だけでなく、事業運営のサポートなど、事業者に寄り添って頂きますよう要望いたします。

5. 安佐勤労青少年ホーム閉館後の施設利用について

次に、安佐勤労青少年ホーム閉館後の建物の施設利用について、質問致します。
今年度で閉館する広島市勤労青少年ホームの施設は、中区の中央勤労青少年ホーム、佐伯区の佐伯勤労青少年ホーム、そして、安佐南区の安佐勤労青少年ホームの3館であります。 さて、この施設の目的は、働く青少年のため、日々の自由時間において、憩いやレクリエーション、グループ活動等の健全な余暇活動の場を提供するとともに、それらの勤労青少年に対する相談・指導、文化・教養講座を実施するなど、勤労青少年の健全な育成と福祉の増進を図ることであり、こうしたことに関する事業を総合的に行ってきましたが、社会情勢の変化により、その役割を終え、閉館の運びとなりました。
そこで、閉館後の建物部分の施設の取扱いとして、中央勤労青少年ホームについては、老朽化のため閉鎖、佐伯勤労青少年ホームについては、合築施設である五日市公民館に統合される予定と伺っています。
しかし、安佐勤労青少年ホームについては、令和3年1月21日付の「勤労青少年ホームに係る今後のあり方検討結果」では、他への用途変更等を検討するとありました。
そこで、お伺いします。

質問:

安佐勤労青少年ホーム閉館後の建物の利用について、どのように考えているのかお聞かせください。

答弁:

令和3年度末で閉館することとしている安佐勤労青少年ホームの建物については、建築後40年が経過して老朽化が進んでいることに加え、耐震診断の結果、所要の耐震性能を下回っていることが判明しています。
こうしたことを前提に、他部局において建物を他の用途に利用する希望があれば、当該部署に引き継いで利用してもらうことになると考えていますが、本年4月に庁内照会したところ、その時点では利用希望はありませんでした。
今後、改めて庁内照会を行うとともに、国及び県に対しても利用希望の有無を照会した上で、いずれからも希望がない場合には、敷地を含めた売却をしたいと考えています。

要望:

この、安佐勤労青少年ホームは、3つの勤労青少年ホームの中で一番新しく、建物は鉄筋コンクリート造りの地下一階、地上二階建てそして駐車スペースは40台あります。さらに館内には、体育室やホールまた音楽室や調理室など含め13室、エレベーターや屋外からのスロープもあり、バリアフリーに対応した施設環境であります。このような公共施設が行政目的の役割を終えようとしている今、市民の皆さまの生活をより良くするために、地域の活性化に資する活用を検討頂きますよう、要望致します。

大雨災害から市民を守る。未来を担う広島の子ども達に、より良い学びの環境を提供する。市立高校の魅力、特色ある高校づくりの抜本的見直し。障がいを持つ方々の自立支援体制への、さらなる事業継続サポート。そして、市民の大切なスペースである公共施設の時代のニーズに則した新たなアイデアなど。これからも、市民の目線で行動して頂ける本市であることを熱望し、以上で私の一般質問を終わります。
ご清聴、ありがとうございました。

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